2007年12月28日

年末年始のお休み

ラリエンです^^

年末年始でバタバタしていることと、旅行に出ますので、
しばらく更新はお休みいたします。

年始の3日か4日からまた更新できるかなと思います。

皆様、どうかよいお年をおむかえください。
そして来年も当ブログをご愛読くださいますように^^
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2007年12月27日

【指輪物語豆知識(78)】エルフの像を自宅の庭に

家を買いました(^_^)。家具は赤を基調にしてエルフ製でそろえて、庭には何置こうかなあ、やっぱエルフの像がいいなあ。で、そうなると歌姫ルシエンしかない! うんうんグッとエルフらしくなりました。

家が実装されて、いろんなものが飾れて楽しいですよね。エルフの像は3種類あるようです。そこで今回はあの像は誰? っていう話を簡単に。ここ読んでる方には説明いらないかもですが(笑)。


ルシエン (Luthien 第1紀)シンダール・エルフ 女性
シンダール最初で最強の王・シンゴルと、マイアのメリアンの間に産まれたひとり娘。「中つ国のすべてのものの中でもっとも美しいもの」と言われた絶世の美女です。人間の王族・ベレン と恋に落ち、そのためにエルフの不死の恩寵を失います。ベレンの名づけた別名が「ティヌヴィエル」(小夜啼鳥)。ベレンとルシエンは協力してシルマリルのひとつを奪還しますが、その過程でベレンが死んでしまうと悲しみのあまりルシエンも死んでしまい、マンドスの館に送られたルシエンは死と運命を司るマンドスの前でその思いのたけを歌い、その歌に同情したマンドスは40年の期限を切ってベレンとルシエンを蘇らせてくれます。
ルシエンとベレンの孫娘が、「白き」エルウィング(エアレンディルの妻)。エルウィングとエアレンディルの息子がエルロンドとエルロス。エルロンドの娘がアルウェン。エルロスは初代ヌメノーール王であり、その子孫にエレンディル、アラゴルンなど、数多くの英雄がその血脈にいますが、これら英雄の血統のルーツがルシエン・ティヌヴィエルなのです。


ギル=ガラド(Gil-galad 不明〜第2紀3441年) ノルドール・エルフ 男性
フィンゴルフィン王家のフィンゴンの息子で当初はエレイニオン(Ereinion)という名前でした。中つ国のベレリアンドが水没したあと、残った土地リンドンを本拠としてキアダンなどと協力してエルフの王国を再建し、中つ国のすべてのエルフの上級王として玉座につきます。 王位についたあとは、シンダール語で「燦然たる輝きの星」という意味のギル=ガラドを名乗り、ノルドールとして最後の上級王となります。一時エルロンドも彼の臣下のひとりとして仕えていました。第2紀の終盤、ギル=ガラドの王国は大変に力を持っていましたが、人間の上級王・エレンディルと「最後の同盟」を結び、エルフと人間の連合軍はモルドールに攻めこみます。しかしギル=ガラドはエレンディルと共に戦死してしまいました。彼の持つ槍は天下無双といわれましたが。その槍こそ「アイグロス」、そう、Aeglosサーバーの名前の由縁になった槍なのです。像もしっかりと槍を握り締めていますね。


ケレブリンボール(Celebrimbor 不明〜第3紀1697年)ノルドール・エルフ 男性
シルマリルを制作したフェアノールの孫にあたります。名は「銀の手」という意味。エレギオン(柊郷)のノルドール・エルフの国でグワイス=イ=ミーアダイン(注1)の長として素晴らしい宝飾品の数々を作りました。しかし彼は、正体を隠したサウロンにだまされ、力の指輪を作りあげてしまいます。一つの指輪を除く、エルフの三つの指輪、ドワーフの七つの指輪、人間の九つの指輪はすべてケレブリンボールの作品と言われています。サウロンが正体を現したあと、エレギオンを攻撃したサウロンに捕らえられ、拷問の末に殺されました。サウロン軍は彼の体を串刺しにし、それを旗印にして進軍したということです。


これら3人のエルフの像は裂け谷の名声ショップで購入できます(注2)。
宝飾師のあなたにはケレブリンボールをお勧めです(笑)。

え? 私のエルフ風の家はどこかって? もちろんホビット庄です!(コラコラ)

                           *

(注1)エレギオンの宝飾細工師たちはこう呼ばれました。ヘレグロドのレイド・クエストで頻繁に名前が出てきますので聞き覚えがあると思います。
(注2)私はルシエンの像はKSの方に、ケレブリンボールの像はお友達のこのブログの愛読者さんに買ってきていただきました。ありがとうございました(^_^)。
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2007年12月25日

【指輪物語豆知識(77)】叫んでみよう

ドワーフさんたちがときどき戦闘中に叫んでいます。あれ何って言ってるの? と当のドワーフさんたちのなかにも??な方がおいでのようで(笑)。
こう言ってます。
「バルク カザド!」
または
「カザド! アイ=メヌ!」
正式にはつなげて言います。
「バルク カザド! カザド! アイ=メヌ!」
原作では角笛城の戦いのおりにギムリが叫んでいました。
カザドはドワーフ自身が自分たちを呼ぶ言葉、つまりドワーフという意味です。「汝らに臨むは我ぞ!」という意味だとトールキン自身の注釈があります。
もっと意訳すると、「かかってこい! お前らの相手は俺だ!」という感じではないでしょうか。

ほかの種族が叫ぶとしたらどうなるでしょうか? 

ローハン出身の人間なら「エオルの子らよ、進め!」。
ゴンドール出身なら、アラゴルンと同じく「エレンディル! エレンディル!」でもいいでしょう。ドゥネダインの血をひいているならこれでいいんですが、残念ながら北方王国を出身地には選べないようですね。
自分の剣の名前を叫ぶシーンも原作にはあります。角笛城の戦いのおり、エオメルは突撃の前にこう叫んでいます。
「グースヴィネ! マークにはグースヴィネ!」
それを受けてアラゴルンも叫びます。
「アンドゥリル! ドゥネダインにはアンドゥリル!」
グースヴィネはエオメルの愛剣の名前、マークはローハンの人間が自分たちの国を呼ぶ名前です。アンドゥリルは折れた剣ナルシルを鍛え直して新たに名づけたアラゴルンの愛剣の名前ですね。
あと谷間の国出身というのもありましたね。谷間の国の方は「バルドのために!」でもいいのかな。バルドは『ホビットの冒険』で悪竜スマウグを倒した谷間の国の王です。この指輪戦争の時点でまだ存命かは不明なんですが、バルドでなくその世継ぎであるバインにしてもいいかもしれません。
人間全般では、映画でも叫んでいた「ヘリオー!」。これは「突っ込め!」「突撃!」という意味なので突っ込む前にどうぞ(笑)。
え? ブリー村? えっと・・・・ごめんなさい思いつきません(笑)。

エルフなら「エルベレス! ア ギルソニエル!」、もいいですね。エルベレスもギルソニエルもヴァリエラ最高位でエルフがもっとも敬愛する「星のお妃」ヴァルダのことです。暗黒の手先たちはこの名前を聞いただけで痛手となるもようです。
私は、フロドがガラドリエルの玻璃瓶をかざして思わず知らず出てきたエルフの言葉「アイヤ エアレンディル エレニオン アンカリマ!」をなんかかっこいいんで登録して、連携が発動したときに叫んでみたりしてます(笑)。意味わかりません、すいません(笑)。エルフ語講座に通っている方、意味を教えてください(笑)。

ホビットは・・・・・「戦さのあとは緑竜館!」とか(^^;
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2007年12月24日

2008年クリスマス限定BGMの解説

クリスマス クリスマスBGM解説 クリスマス


2008年のクリスマス・シーズン限定BGMを設定いたしましたが、その解説です(^_^)。

これも、すべて Enya の作品から。2008年11月に発売されたばかりの最新アルバムの「And Winter Came」のクリスマス・ソングを中心に、クリスマスっぽいものを選んでみました(^_^)。

Oiche Chuin・・・・・・・これはゲール語で「イーハ・ヒューイン」と読みます。曲は日本でもっとも親しまれているであろうクリスマスの賛美歌「聖夜」(聖しこの夜)ですが、Enyaはゲール語で歌っています。この曲はEnyaは2回録音していて、BGMに入れたのは最新アルバム「And Winter Came」に新たに録音されたもののほうです(^_^)。

Adeste, Fideles ・・・・・クリスマスの賛美歌「御使いの主なる大君」。これは「Amarantine」の特別盤のボーナスCDに収録されたもの。ラテン語で歌われています。

O Come,O Come Emmanuel・・・クリスマスの賛美歌「久しく待ちにし」です。これは最新アルバムの「And Winter Came」に収録されたもので、曲の成立(15世紀フランス)よりも古い、9世紀のラテン語の歌詞で歌われています。

We Wish You A Merry Christmas ・・・・クリスマスPopsで有名なこの曲も、Enyaが歌うとなんでこうも「まったり」してしまうのでしょう(笑)。「Amarantine」の特別盤のボーナスCDに収録されたもの。

The Magic Of The Night ・・・・Enyaオリジナルのこのクリスマス・ソングも「Amarantine」の特別盤のボーナスCDに収録されたもの。

Christmas Secret ・・・・・このEnyaオリジナル曲も「Amarantine」の特別盤のボーナスCDに収録されていました。

And Winter Came・・・・・最新アルバム「And Winter Came」収録のタイトルと同名の曲です。インストゥルメンタル曲。

Journey of the Angels・・・・・最新アルバム「And Winter Came」収録。主キリストがお生まれになる直前に、ご降誕の準備をするためにベツレヘムに向かう天使たちを歌っています(^_^)。

White is in the Winter Night・・・・最新アルバム「And Winter Came」収録。クリスマスがやってくる心躍る気持ちを描いた曲。

One Toy Soldier・・・・・・最新アルバム「And Winter Came」収録。クリスマスの前の日、おもちゃの兵隊さんは悩んでいます。あしたは太鼓をたたかなければいけないのに、太鼓が壊れちゃってる、どうしよう。その夜、誰もきづかないうちに誰かがやってきて太鼓を直してくれました。クリスマスの日、おもちゃの兵隊さんは皆に素敵なクリスマスがきますように祈っていっしょうけんめいに太鼓をたたきました。

The Spirit of Christmas Past・・・・・最新アルバム「And Winter Came」収録。ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』から題材をとって、この小説の伝えたかったメッセージを託した曲。

Trains and Winter Rains ・・・・クリスマス曲ではないのですが、最新アルバム「And Winter Came」に収録されたもの。このアルバムのリード・トラックとあります。人生を列車の旅にたとえた歌詞が歌われます。

My! My! Time Flies!・・・・・・最新アルバム「And Winter Came」収録。これもクリスマス曲ではないのですが、大変楽しい曲です。Enyaがビートルズの「サージャント・ペパーズ・ロンリーハート・クラブ・バンド」の中の曲からリズムのアイデアを得て作った曲。歌詞に「アビィ・ロードを横断する4人の男。ひとりは靴をはくのを忘れてしまっている」などというのが出てきます(^_^)。
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2007年12月23日

【指輪物語豆知識(76)】<エルフのこと(9)>種族のまとめ

いままでですべての種族及び族(やから)は出切ったと思います。なんか抜けてるよ、って方御一報を(笑)。
エルフの種族についてここで最後に整理しておきたいと思います。そしてこの項「エルフにこと」はとりあえず終了。歴史をえんえんと書いていくとキリがないのがエルフです(笑)。なんせまだやっと「二本の木の時代」までで、太陽も月もない時代なのです(注1)。
このあとは、物語別に稿を改めて書いていこうと思います。

*

【クウェンディ(エルフ)の種族】
●ヴァンヤール。●ノルドール。●テレリ。
これは最後まで大きな種族分類として存在します。
このあとは行動別によりいろいろと分かれるわけです。名前の出てくる順に書きます。○はのちに名前の変わった族(やから)です。

●アヴァリ・・・・・最初の移動開始のときに行くことを拒んだテレリ族の一部。その後消息を絶つ。
●エルダール・・・・アヴァリ以外のすべてのエルフ。移動を開始した者たち。

○ナンドール・・・・霧ふり山脈の東で旅を断念したテレリ族の一部。のちにライクウェンディとシルヴァンに分かれる。
○ファラスリム・・・オッセの頼みで中つ国にとどまったテレリの一部。のちにシンダールに統合される。
○エグラス・・・・・行方不明のシンゴル王を捜索するために中つ国に残ったテレリ。のちにシンダールとなる・
●シンダール・・・・灰色エルフ。シンゴル王の臣下たち。エグラスが基幹でファラスリムを含む。マイアのメリアンの光を仰ぎ見られた者たち。
●ライクウェンディ・・・・緑のエルフ。ナンドールのうち霧ふり山脈を西へ越えベレリアンドにいたった者たち。
●シルヴァン・・・・森のエルフ。霧ふり山脈の東に留まったナンドール。
●ファルマリ・・・・海のエルフ。オルウェ王に率いられアマンに渡ったテレリ。

【光と闇】エルフを2つに大別したもので、光を見たか見なかったかで分けます。
*ヴァリノールの二本の木の光を見たことのある者。
●カラクウェンディ(光のエルフ)。●タレルダール(上のエルフ)。●アマンヤール(アマンに属する者たち)。
*二本の木の光を見たことのない者。
●モリクウェンディ(暗闇のエルフ)。●ウーマンヤール(アマンに属さぬ者たち)。


中つ国に指輪戦争当時にいたエルフたちはどういうことになるでしょう。これがけっこう一筋縄でいきません。はっきりわかっているのはノルドールの3人とシンダールの3人(注2)。

■ノルドール(上のエルフ=光のエルフ)
*ガラドリエル。*グロールフィンデル。*ギルドール。

■シンダール
*ケレボルン(ロスロリエンの領主・ガラドリエルの夫君)。*スランドゥイル(森のエルフの王・レゴラスの父)。*キアダン(注3)。

エルロンドはむずかしいです。彼の血にはヴァンヤール、ノルドール、テレリすべての王家の血が流れているからです。それどころかマイアのメリアンの血も受けています。もちろん人間の血も流れています。当人はノルドールのつもりだったようですが(笑)、光を見ていないので「上のエルフ」ではありません。エルロンドの子供たちも父同様特定はできないですね。

レゴラスもむずかしい。彼はシルヴァンの国「森のエルフの王国」の王子なのですが、父王スランドゥイルははシンダールです。しかしシンダールというのは、マイアのメリアンの光を見たことのある、また薫陶を受けた者と定義しますと、レゴラスがメリアンのいたころにすでに産まれていたのでなければ、レゴラスをシンダールと呼ぶのもおかしな気がします。トールキン教授はレゴラスはシンダールの血統だ、とは言っているようですが、シンダールである、とは書いていないのです。彼がいつ産まれたのか不明なのでこれもあいまいなままです。

ま、とりあえずこんなところかな。ほかに出てくるエルフのこと知っている方、教えてください(^_^)。ゲーム内の避け谷にビルボといっしょにいるリンディアとかは原作でも名前だけで背景がまったくわからないので不明ですけど(笑)。

                         *

(注1)メルコールが鎖につながれてから(このあとでエルフが移動を始めてます)3000年で「二本の木の時代」が終わり、「太陽の時代」第1紀となります。第1紀はおよそ500年、第2紀は3441年、第3紀は3021年続きます。なお、ゲーム内では現在第3紀3018年の11月初旬ごろと思われます。
(注2)このほかにもノルドールとシンダールはいたんじゃないかと思います。ただ主人公たちと接点がなかったのでしょう。
(注3)キアダンはシンダールですが、「テレリ」と敬意をもって呼ばれることがあります。最初のエルフのひとりだとしますと、その年齢は1万歳を越えているかもしれません。彼はエルフにかかわらず長い顎鬚を伸ばしていたようで、エルフも1万歳を超えるとヒゲが伸びるのでしょうか(笑)。
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2007年12月21日

【指輪物語豆知識(75)】<エルフのこと(8)>その後のエルダマール

再びアマンに戻って、その後の各種族のことについて触れておきたいと思います。ヴァンヤールとテレリたちが移動したからです。

トル・エレッセア(離れ島)のテレリ族たちはその後長くこの島に住みましたが、やがて少しずつ気持ちが変わり、海を越えて彼らの島まで流れ出てくる光のほうに引き寄せられていきました。彼らは彼らの住まう岸辺に寄せる波の音楽を愛する気持ちと、今一度同族の者に会い、ヴァリノールの壮麗をわが目で仰ぎたいという望みに引き裂かれました。しかし光を望む気持ちが結局強く、ウルモはヴァラールの意向に屈して、テレリ族のもとに彼らの友であるオッセを遣わしました。
オッセは悲嘆にくれながらも、彼らに船を建造する技術と航海術を教え、やがて彼らの船ができあがると、餞別の印に、あまたの強き翼を持った白鳥たちを連れてきました。白鳥たちはテレリ族の白い船をひき、無風の海を渡って、テレリたちはこうして最後にエルダマールに到達したのです。(注1)

テレリたちはしかし岸辺を離れることはなく、ここにアルクァロンデすなわち「白鳥港」を築きました。これがかれらの都であり、彼らの船の停泊所でした。ノルドールたちはテレリたちにオパール、ダイアモンド、色淡き水晶などの宝石を数多く贈り、テレリ自身もあまたの真珠を海から得ましたので、アルクァロンデはそれは美しい都になりました。オルウェ王の館は真珠造りで多くの燈火に照らされていたといいます。
彼らの船は白鳥に似せて造られ、黄金のくちばしと、金と黒玉の目を持っていました。港に入る門は、海水にえぐられた自然のままの岩のアーチで、これはカラキルヤの北、星々の光が明るく澄んだ、エルダマールの端にありました。
テレリたちはその速い船でエルダマール湾を航海し、あるいは丘のかなたの光に髪をきらめかせながら、岸辺を寄せる波間を歩いて暮らしました。こうしてエルダマールに到達したテレリたちは「ファルマリ」すなわち「海のエルフ」と呼ばれるのです。

さてヴァンヤール族は長い間ノルドール族とともにティリオンの都に住んでいたのですが、彼らはしだいにヴァラールの国土と、二つの木の豊かな光を愛するようになり、ティリオンを去って、マンウェのお膝元であるタニクウェティルで暮らすようになりました。ヴァラール最高位の「長上王」マンウェは詩を大変に愛し、ヴァンヤール族はもっとも詩作に秀でていましたので、マンウェはヴァンヤール族をいちばん寵愛したのです。
ノルドールの都ティリオンの王はフィンウェであり、テレリの都アルクァロンデの王はオルウェでしたが、都を去ったとはいえ、彼らの上級王は依然としてヴァンヤール族のイングウェであることに変わりありませんでした。


エルフの種族がでそろったあともこれらその後のことを書き添えたのは、いずれ書くことになる予定の「ノルドールの反乱」の前提として、これらの位置関係などが重要になってくるからです。

次回でかなりややこしいエルフ種族についてまとめられるだけまとめて、この項の最終回とする予定です。その後のエルフたちの歴史については、また触れていきたいと思いますが、歴史順にはならないかもしれません。ご容赦ください。

                             *

(注1)こうしてトル・エレッセアの大部分のテレリは移動したのですが、島に残った者もかなりいました。また、太陽の第1紀が終わって宝石戦争によりメルコール(モルゴス)が滅びた後、ヴァラールは中つ国に戻ったノルドールとシンダールら中つ国に住んでいたエルフたちにアマンに戻る(渡る)ことを許しました。そのときにアマンに渡ってきたノルドールとシンダールの大勢の者がトル・エレッセアに住むことを選び、再びこの島は賑わい、アヴァルローネの港湾都市を築いて、トル・エレッセアのエルフたちは盛んにヌメノールなどに航海をしました。さらに付け加えますと、第3紀のあとアマンに戻ったガラドりエルは、ノルドール反乱の指導者のひとりであるという遠慮からアマン本土には渡らず、このトル・エレッセアに上陸したということです。
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2007年12月19日

【指輪物語豆知識(74)】<エルフのこと(7)>緑のエルフと森のエルフ

エルフとドワーフの工人はその技の限りをつくして、メリアンの心に描かれたヴァリノールの美と驚異をメネグロスに再現しました。
メネグロスの柱は、オロメのブナの木そっくりに幹も大枝も葉も石を刻んで作られ、金のランプで照らされました。そしてそこにはヴァリノールのローリエンの庭のように小夜啼鳥が歌い、銀の噴水、大理石の水盤、さまざまな色合いの石を使った床があり、石に彫った獣や小鳥たちが壁を走り、柱を這い上がり、花々の絡んだ枝々の間からのぞいていました。
そして歳月を経るにつれ、メリアンとその侍女たちは、多くの広間の壁を自らの手で織った壁掛けで埋めたのでした。そこにはヴァラールの事蹟や、創世の初めからアルダ(地球)に起こったさまざまな出来事や、また、これから起ころうとすることの定かならぬ影像が読み取れました。これこそ今の世に至るまで、大海の東に存在したいかなる王侯の宮殿もその美しさにおいて及ぶことのない城館でした。

こうしてシンゴルとメリアンの王国に静かな平和が訪れたあとにもドワーフたちは訪ねてきていました。そしてメルコールが捕らわれて3期目に入ろうというころ、ドワーフたちがシンゴルに伝えたことがありました。それは、メルコールの手足となって悪をなしていた者共は壊滅したわけではなく、ウトゥムノの奥深くなどに潜んでいた邪悪な者共がまた活動を始めたというものでした。この者たちは北方から出て、いまやいたるところで蠢動しているというのです。
「山脈の東の地には、残虐な獣共がいます。そしてかの地に住まうあなたがたの同族の方々が、平地から山のほうに逃げ込んでいるのです」
ドワーフたちの言葉を聞いてシンゴルは憂いました。そしていままで武器というものを知らなかったエルフたちは、ドワーフに学んで、武器を作り蓄え始めたのでした。

この山脈の東の地の同族とは、かつて霧ふり山脈の東でテレリ本隊より別れたナンドールたちのことでした。彼らは大河の谷間の森に長い間住みついたり、大河の河口に達してそこの海辺に住みついた者、またエレド・ニムライス(白の山脈)沿いに北上してエリアドールの荒野に入った者もあり、つまり小さな集団に別れてばらばらになっていました。
基本的に彼らは森に住みついて刀剣の類いを持ちませんでしたので、ドワーフたちがシンゴルに警告した北方の残忍な獣たちは、彼らを非常な恐怖に陥れました。そこでかつてテレリから別れたときのナンドールの指導者のひとりレンウェの息子にあたるデネソール(後のゴンドール執政と同名ですがもちろん別人)は、シンゴル王の権威とその領国の平和を聞くと、四散した一族を集められるだけ集めて、彼らを率いて2つの山脈を越え、ベレリアンドにシンゴルを頼ったのです。

シンゴルは彼らを消息が絶えたまましばらくぶりに戻ってきた同族として暖かく迎え入れ、彼らは七つの川の地「オッシリアンド」に住みつきました。
彼らは「ライクウェンディ」(緑のエルフ)と呼ばれ、のちにノルドールがシンゴル王の民をシンダールと呼んだおりにも、ライクウェンディはシンダールに含めませんでした。

そして、デネソールと共に来ずに霧ふり山脈の東に残った者たちは「シルヴァン」(森のエルフ)と呼ばれるようになります。
シルヴァンのうちもっとも大きな2つの集団は指輪戦争のおりにも残っています。ひとつは緑森大森林(後の闇の森)の北部の「森のエルフの王国」で、ビルボがかつて訪れたことのある場所です(注1)。またレゴラスは指輪戦争当事にここの王であったスランドゥイル(注2)の息子です。
もうひとつはかつてラウレリンドレナンと呼ばれた森に住む一族で、この地はやがて「ロスロリアン」と呼ばれます。なぜシルヴァンの国をシンダールのケレボルンとノルドールのガラドリエルが治めることになったのかにはわけがあるのですが、それはまた稿を改めて書きたいと思います。

                         *

(注1)訪れたと書きましたが、忍び込んだのです(笑)。エルフの野営になだれこんだ無礼者としてエルフ王(「ホビットの冒険」では名前は出てきませんがスランドゥイルでしょう)に捕らえられた13人のドワーフを助けに、「姿を消せる指輪」で忍び込んだのです。
(注2)スランドゥイルは『終わらざりし物語』によるとシンダールらしいです。けっきょく指輪戦争当事に残る2つのシルヴァンの国はどちらも統治者はシルヴァンじゃないんですね。
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2007年12月17日

【指輪物語豆知識(73)】<エルフのこと(6)>シンダール

話を中つ国に戻します。
長い長い恍惚状態からエルウェ・シンゴルロが目覚めますと、メリアンと共にナン・エルモスから出て、以後ふたりはこの地の真ん中にある森に住みました。エルウェが二つの木の光を見たいという望みには切たるものがありましたが、彼はそのアマンの光を、あたかも曇りのない鏡に見るようにメリアンの面(おもて)に見ることができ、彼はその光に満足したのでした。
王を再び見いだして歓喜する縁者、友人、臣下たちは、驚嘆して彼を仰ぎました。なぜならもともと美しくもあり、気高くもあったとはいえ、いまや彼はマイアールの高貴な者のひとりであるかのように見えたからです。髪は銀灰色、背丈はエルフのなかでももっとも高いものでした。

エルウェは後に天が下に隠れもなき王となって、その民はベレリアンドの全エルダールに及びました。彼らは「シンダール」すなわち「灰色エルフ」(注1)「薄暮のエルフ」の名で呼ばれ、エルウェは「エル・シンゴル」すなわち「灰色マント王」シンゴル王と呼ばれるようになりますので、以後シンゴル王で通したいと思います。
またシンゴル王はアマンに移住することはできなかったとはいえ、オロメに伴われて民のために弁ずる3人の使者のひとりとしてアマンに渡り、ヴァリノールの二本の木の光を見たことがありますので、彼はシンダールでありますが、「光のエルフ」=「上のエルフ」のひとりとして数えられるのです。
シンゴルとメリアンの支配力は次第に強まり、キアダンとファラスリムたちもシンゴルを上級王として主君と仰ぎました。これゆえにファラスリムたちもシンダールの中に数えられるようになったのです。シンダールたちはシンゴルの統治とメリアンの教えのもとに、中つ国のすべてのエルフたちのなかでもっとも美しく、もっとも賢明でもっとも技に長じた者となりました。

メルコールが鎖につながれた第1期(最初の1000年)の終わりごろに、シンゴルとメリアンの独り子ルシエンが誕生しました。中つ国の大部分はヤヴァンナの眠り(注2)の下に置かれていましたが、メリアンの力によって支配されているベレリアンドには、生命と喜びがあり、明るい星々が銀の火のように輝いていました。そしてネルドレスの森にルシエンが産まれ、彼女を喜び迎えるかのように、ニフレディルの白い花々が、大地に花開く星々のように咲きいでました。

メルコールが捕らわれてから2期めのこと(注3)、ドワーフたち(注4)がエレド・ルイン(青の山脈)を越えてベレリアンドに入ってきました。ほかに言葉を話す者はいないと思っていたエルフたちはかなり驚いたようです。ドワーフたちの言葉は複雑で覚えるのはむずかしいものでしたが、ドワーフたちは言語を覚えるのが得意で、彼らのほうが先にエルフの言葉をたくみにあやつるようになりました。
ドワーフたちは地をうがち広大な城や居館を築き上げるのが得意で、ドルメド山の北にはベレグオスト(大要塞都市の意味)、南にはノグロド(洞窟都市の意味)とエルフたちが呼んだドワーフの都がありました。これらの都市からドワーフたちはやってきて、商いを通じてエルフたちと交流を始めました。

さてメリアンはマイアの常として優れた予見の力を持っていました。そしてメルコールが捕らわれて2期が終わるころ、彼女はいずれ平和は終わりをつげるだろうとシンゴルに助言しました。そのためシンゴルは王にふさわしい居館と、悪が再び中つ国に呼び覚まされた場合にあっても、守り堅固な場所を用意することを考え、ベレグオストのドワーフの助言と助力を求めました。
ドワーフたちは充分に用意された報酬にみあう素晴らしい働きをしてそれに応え、こうしてメネグロスつまり「千洞宮」と呼ばれる美しくも堅固な都市が岩山をうがって築かれたのです。
このメネグロスはドワーフの匠とエルフの美しい芸術的才能が加わって、2種族の技の限りの競演となり、すばらしい都となりました。

                            *

(注1)「灰色エルフ」となぜ呼ばれたかにはいくつかの説があります。そのなかでは灰色マント王の民だから、という説と、マイアのメリアンの光を見ているために、「光」でも「暗闇」でもない灰色・薄暮なのだという説が有力です。彼らをシンダールと名づけたのは、後年にシルマリル奪還のために中つ国に戻ったノルドールたちだと言われています。
(注2)メルコールによって闇の世界になってしまった中つ国を見たヤヴァンナは、彼女の創り出した木々や草花、おとなしい小動物たちを、時がいたるまで眠りの中に置いたのです。
(注3)期と紀の使い方にご注意ください。ここでいう期とは、のちの1紀2紀などのことではありません。この時代は「二本の木の時代」と呼ばれる時代で、のちの1紀2紀などは「太陽の時代」と呼ばれます。
(注4)書くとドワーフさんたちが怒るかもしれませんが(笑)、エルフたちのドワーフたちに対する本心がわかる気がしますので書きますと、ドワーフは自分のことをカザドと呼んでいましたが、エルフたちはドワーフのことを「ナウグリム」と呼びました。これは「発育を阻害された者たち」という意味なのです。ひどいですね(笑)。シンゴルはドワーフたちを暖かく迎えたといいますが、その実は「互いに大いに利するところはあったが、その間柄は常に冷たいものであった」と記されています。
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2007年12月15日

【指輪物語豆知識(72)】<エルフのこと(5)>エルダマール

旅は終わったのですが、もう少し(本当?(笑))書かないと種族がそろわないようです(笑)。
今回はアマンにおけるエルフたちについて少し触れます。

アマンにおけるヴァリノール(ヴァラールの住まう国)は、メルコールから防衛するために、その周囲を長城のようにペローリの山脈が囲んでいました。
しかしヴァリノールでは二つの木の光のためもあって、エルフの愛する星空が見えないことにきづいたヴァラールは、この山脈の1箇所を切り開いて、そこに海に通じる深い谷間が造られました。ノルドールたちはここに高い緑の丘を築いてトゥーナと呼びました。
西のほうから二つの木の光がこの丘に落ち、その影は常に東に落ちていました。東はエルダール湾、トル・エレッセア(離れ島)、そして小暗い海に臨んでいましたので、至福の国に照り映える光は、光の道カラキルヤを通って溢れ出し、暗い波濤を銀波金波にきらめかせながら、テレリたちの住まうトル・エレッセアまで届いていました。そのため離れ島の西岸は次第に緑が美しく生い茂り、ここにはアマンの山並み以東で初めて花が咲いたのです。
トゥーナの丘の頂きには美しいエルフの都ティリオンが築かれ、ヴァンヤールとノルドールはこの都に長い間いっしょに住みました。
これらエルフたちがヴァラールの許可を得て住んだ土地を「エルダマール」(エルフ本国)というようになります。

さて、ここで重要になるのが二本の木の光です。この光を見たか見なかったかでエルフ全体が2つに大きく分けられるからです。
アマンに至って、この二本の木の光を見たエルフは、種族を問わず(ヴァンヤールとノルドールのすべて、及びトル・エレッセアのテレリ=ファルマリ)、「カラクウェンディ」(光のエルフ)と呼ばれ、二本の木の光を見たことのないエルフは「モリクウェンディ」(暗闇のエルフ)と呼ばれるからです。(注1)
またアマンに到達したエルダール(注2)たちを「アマンヤール」(アマンに属する者たち)、エルダールではあるが旅の途中で中つ国に留まることにしてアマンにまで至らなかった者たちを「ウーマンヤール」(アマンに属さぬ者たち)と呼ぶ場合もあります。
「カラクウェンディ」は、「タレルダール」すなわち「上のエルフ」とも呼ばれ、この名前で原作で親しんでいる方も多いでしょう。
また「暗闇のエルフ」というのは英文だと「Dark Elf」となり、後のファンタジー小説やゲームなどで、肌の浅黒い(おおむね邪悪な)エルフをダークエルフと称したことから誤解を招くもととなりましたが、指輪世界における「暗闇のエルフ」とは二本の木の光を見なかったというだけで、外見はまったくかわりません。レゴラスもエルロンドも「暗闇のエルフ」なのです。

さらにいえば、プレイヤーはキャラクターメイキングにおいて「上のエルフ」を選ぶことはできない、と公式に明言されていますので、私を含めてプレイヤーによって作られたエルフは、すべて「暗闇のエルフ」であるといえます。

ここまでを踏まえてたとえば指輪戦争当時、中つ国にいた全エルフの最長老である「船造り」キアダンを考えてみましょう。彼はテレリでありエルダールであるがウーマンヤールであり、したがってモリクウェンディ(暗闇のエルフ)で、ファラスリムの君主であった。
でも詳しい方に「キアダンはファラスリムです」とひとこと言えば、その前に書いた部分はすべて説明されたも同じなわけです。(注3)

いかがです? だんだんややこしくなってきたでしょ(笑)。

                         *

(注1)この後刑期の終わったメルコールが解き放たれたあと、メルコールにより二本の木は滅ぼされてしまいますので、二本の木が失われたあとはアマンに渡ってきたエルフは光を見ることはなく、「光のエルフ」とは呼ばれません。光のエルフ=上のエルフとはこの二本の木がまだあった時期にアマンにいた者にしか言われない名前なのです。つまりガラドリエルなど二本の木が健在であったころにエルダマールで産まれたエルフたちも光のエルフ=上のエルフであり、逆に後年に中つ国に戻ったノルドールで中つ国で子供をなした場合、その子らはアマンに戻れたとしても二本の木が滅んだあとですので、ノルドールであっても暗闇のエルフであるといえます。
(注2)最初から旅に出ることを拒んだ「アヴァリ」以外のすべてのエルフを、アマンに到達したかしないかにかかわらず「エルダール」と呼びます。アヴァリはその後消息を絶ってしまいますので、だんだんエルダール=エルフと解釈されるようになっていきます。
(注3)キアダンはこれだけいろいろな呼び方があっても、敬意を表してか「テレリ・エルフ」と呼ばれることがあります。ドゥネダインの単数形のドゥナダンがアラゴルンを示す固有名詞的に使われるのと同じかもしれません。
posted by ラリエン at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 指輪物語豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月13日

【指輪物語豆知識(71)】<エルフのこと(4)>アマンへ

やがてオロメがヴァリノールから戻り、彼はヴァンヤールとノルドールたちをシリオン川周辺の麗しい土地に連れていきました。テレリはまだベレリアンドの東端に留まっていたので、置き去りにされたかっこうになってしまいました。

さて、その地の海岸にはヴァラたちの総意を受けて、「水の王」ウルモが一行を待っていました。ウルモが彼の法螺貝を吹き鳴らしてエルフたちに聞かせますと、海を恐れる彼らの気持ちはむしろ海への望みに変えられました。そこでウルモは海のただなかの孤島を根こぎにして、臣下であるマイアたちの手を借りて、この島をまるで船であるかのように動かし、シリオン川が流れ込むバラール湾に繋留したのです。
この島にヴァンヤールとノルドールのエルフたちが乗り込みますと、島は海上を引かれていきました。このおりに島の東端がシリオンの河口沖の浅瀬に乗り上げて分断され、そこに残された部分がバラール島であるといわれています。
そして残る島に乗ったヴァンヤールとノルドールは、やがてついにはアマン大陸の山並みの下の岸辺に到着したのです。

こうしてヴァンヤールとノルドールは至福の地に迎え入れられたのですが、テレリたちはまだ中つ国に留まったままでした。テレリたちは遠く離れていたためにオロメの召集を聞いたときにはすでに遅かったのです。また、主君のエルウェ・シンゴルロを探している者たちも多く、彼らはエルウェがいなければ出発する気になれなかったのです。
しかしヴァンヤールとノルドールが行ってしまったことを知ると、テレリの多くの者は急ぎベレリアンドの岸辺に駆けつけ、その後はシリオン川の河口近くに住みつき、すでに出発してしまった友人たちを恋しく思いながら暮らしました。
このようにテレリたちが残されたことを知ったウルモの臣下のマイア「海の王」オッセは、その妃ウィネンと共にテレリのもとをたびたび訪れ、何くれとなく手を貸しました。オッセは陸地の際に近い岩場に腰かけ、テレリたちに海についてのあらゆる知識、あらゆる海の音楽を教えました。それゆえにもともと水を愛し、全エルフの中でもっとも優れた歌い手であったテレリ族は以後、海に魅せられ、その歌には岸辺に寄せる波の音が満ちたのです。
オッセはテレリたちを愛し、その歌を愛し、テレリたちも師であるオッセを敬慕してやみませんでした。

こうして長い年月が過ぎましたが、あるときノルドールの王フィンウェがウルモに願い事をしました。ノルドールたちはテレリと別れて久しいことを悲しんでいましたので、テレリにその気があるのなら、アマンに連れてきてくれるようウルモに頼んだのです。
ウルモはその願いを聞き入れ、再び島を中つ国に運びテレリに呼びかけました。テレリたちも今度はほとんどが喜んで行こうとしましたが、これを聞いてオッセは大変に嘆き悲しみました。オッセが託されていたのは中つ国の海と此岸の岸辺でしたから、テレリたちがアマンに上陸してしまうと彼らの歌はもうオッセの領域で聞かれなくなるからでした。
オッセがことに親しかったテレリたちを、中つ国に残ってくれないかと説得した結果、中つ国に残ることを決めた者たちもいました。彼らはその後「船造り」キアダンを主君としてブリゾンバールとネグレストの港に定住し、中つ国で初めて船を作って最初の船乗りになったのです。彼らのことを「ファラスリム」すなわち「ファラス(ベレリアンド西部の沿岸地帯)のエルフ」といいます。また、ファラスリムとは別に、エルウェ・シンゴルロの親族とその友人たち及び忠実な家臣たちは留まることを選び、なおも彼を捜し求めました。しかし彼らとて二つの木の光が満ち満ちるヴァリノールへ旅立ちたい気持ちはやまやまだったのです。かれらエルウェの親族・臣下・友人たちは自らのことを「エグラス」すなわち「置き去られた者たち」と呼びました。

かれら中つ国に残留を決めた者以外はエルウェの弟のオルウェ王に従って島に乗り込み、やがてウルモが島を引きアマンに向かいました。
そしてもうほとんどアマン大陸に接しようとしたとき、オッセが彼らに追いついてきて呼びかけたのです。テレリたちはここでオッセと別れ別れになることを悲しみ、ウルモに島を停めるよう嘆願しました。ウルモはテレリたちの心がわかっていましたし、もともとエルフは中つ国に留まるべきであるという意見の持ち主でしたので、テレリたちの願いを聞き入れ、オッセに命じて島を繋留させ、海の土台にしっかりとつなぎとめました。しかしほかのヴァラたちは、ウルモのしたことを喜びはしませんでした。
このテレリの住まうこととなった島を「トル・エレッセア」(離れ島)と呼びましたが、その場所はすでにアマンのエルダマール湾(注1)の奥深くで、アマン大陸にほど近い場所でしたので、ここでテレリ族は彼らの望みどおりに天空の星々の下、アマンと不死の岸辺を望み見るところに住まうことができました。

                            *

(注1)エルダマールとは「エルフ本国」の意味で、アマンに先着したヴァンヤールとノルドールはヴァラールに与えられた土地をこう呼び、そこに接した湾をエルダマール湾と呼びました。
posted by ラリエン at 10:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 指輪物語豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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