2009年11月18日

【指輪物語豆知識(213)】LotRo小事典「モリア観光案内」

HNTのレベルも60近くなり、ぼちぼちとモリアの探検をしています。探検というか迷子の連続で、方向音痴にはつらいですw。

で、あちこちで原作にあった場所を見つけて感慨しきり。
ああ、ここが! っていう名所があちこちにあります。

エレギオンでは赤角口の猛吹雪の中を旅の仲間の痕跡を追って登っていったり、こんなクエストがあったり。
『ついさきほど、エルフたちが詳しく語ったことによりますと、ここには老木の生えた雑木林があったのですが、私にはまだ説明のできない奇妙な事が起こったようです。あの丘の上で何かが起きました。旅の仲間が強力な敵に遭遇したのではないかと心配になります。ほんの小さな手がかりですら我らの敵どもに破壊的な情報をもたらしかねないのですから。あそこに行き、黒焦げの残骸を集めてここに持ち帰ってきなさい。私はそれを調べます。焦げ山の地面いっぱいに黒焦げの木片が散らばっていることでしょう。』
ガンダルフの叫びが聞こえるようです。
「Nair an edraith ammen!(我らを守るための炎よ!)
Naur dan i ngaurhoth!(かの人狼どもに対する炎よ!)」
そうか、ここで一行がワーグに襲われたんだ! ガンダルフの炎のために焼け焦げた丘は、焦げ山( the Burnt Tor )とよばれるようになったもようです。

こういった原作にある場所を実際に歩けるってなんて素敵なんでしょう。


中つ国Wikiのモリアの項に原作に出てくる「モリアの構造」という項があります。そこをちょっと見てみますと・・・。

●『モリアの西側入り口を入ると、200段ある階段がある。階段の上は、床が平らで天井がアーチ状になった廊下が先へと続いている。』
うんうん、入り口から階段が見えますし、入るとこんな感じで初めて見たときには感動しました。
この入ったところが「 Durin's Threshold 」(ドゥリンの玄関)とゲーム内でいわれている場所ね。


●『番人の詰所(guardroom)
・・・・・この部屋の南側にある廊下を見張るための番人の詰所。指輪の仲間はここで休憩した。詰め所の中には井戸があり、ピピンが石を落としている。詰め所の南側にある廊下は、東側が3つに分かれている(左側は急な下り、右側は登り、中央はほぼ平坦だが狭い)。ガンダルフは迷った末右側の道を選んだ。その廊下は曲がりくねりながら登りが続き、やがて第二十一広間の西側入り口に達した。』
そしてこちらはゲーム内のNPCの言葉。「わしらはモリア内に居場所を確保したんだ。今後、奥深くへ探検隊が入っていく際にはこの部屋、四つ辻の間( the Chamber of the Crossroads )がその中心となるだろう。ここはな、かつて守衛の詰め所として使われていたんだ。すぐ南を走る三つの通りを見張るためにな。」
そしてこの「the Chamber of the Crossroads」の詰所の中央には井戸がちゃんとあります! 好奇心にかられて井戸に乗ったKSの人は見事転落して、えらい目にあってましたw。この説明にあるとおりに道が走っており、ガンダルフの選んだ道を曲がりくねりながら進むと「第二十一広間」に到達します。
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posted by ラリエン at 12:23| Comment(4) | 指輪物語豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月05日

【指輪物語豆知識(212)】LotRo小事典「小馬のビル」

ゲームでは、人間とエルフは馬に乗り、ドワーフとホビットは小馬(ポニー)に乗ります。ここで注意したいのは、子馬ではなく、「小馬」であること。
ポニー種の小馬は、馬とは親戚筋にあたる別の種で、おとなになっても体格が小さく、昔から子供の乗馬などに使用されてきました。あの大きさで、立派なおとななのです。


小馬のビル(Bill the pony)
もともとは、シャーキー(サルマン)の手先の「しだ家のビル」の持ちもの。
しだ家のビルはフロドたちの邪魔をするために、ブリーの「躍る小馬亭」に滞在中の一行から、かれらの乗馬である小馬4頭と荷物運び用の小馬1頭の計5頭(早耳、耳利き、尻尾ふり、田吾作、ちびの白靴下 > 以上、トム・ボンバディル命名)を盗み出します。
そして、困り果てたフロドたちに相場の4倍の銀貨16枚で売りつけたのが、かいばもろくに与えられておらず、虐待を受けてきたような痩せさらばえた1頭の小馬でした。この小馬にサムはもとの持ち主にちなんで「ビル」と名づけ、よくめんどうをみました。そのために小馬のビルはみるみる元気になり、年相応の若さを取り戻し、めんどうをみてくれたサムにとてもよくなつきました。
ビルはもともと利口な小馬でしたが、旅の途中で裂け谷に2ヶ月滞在する間に、エルフの馬から教えを受けたのか(笑)、ますます利発になりました。旅の仲間が出発してからは、赤角口の猛吹雪にも耐え、エレギオンでのワーグどもの襲撃にも耐え、艱難辛苦をものともせずにサムにつき従い、ついにはモリアの門にまで行をともにしました。
しかしここでガンダルフは、さすがにモリアの坑道の中までは小馬を連れては行けぬぞ、とサムに言い渡します。サムは抗議しますがどうしようもありません、泣く泣くビルの背から荷物を降ろしたサムは、ここで究極の選択をせまられます。主人をとるか、小馬をとるか。かなりまじめに悩んでいます(笑)。しかしその選択はビル自身がしました。水中の監視者の出現とともにビルは恐怖のいななきをあげ、あとも見ずに逃げ出したからです。サムが止める間もありませんでした。こうしてビルは一行と別れてしまいます。
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posted by ラリエン at 10:09| Comment(2) | 指輪物語豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月16日

【指輪物語豆知識(211)】エルフ語でご挨拶

NAに移住してみて、やっぱり英語はしんどいw
Aサバでの友達は、「英語なぞわからん! おれはエルフだ!」と言い放ち、エルフのRPと称して、外人さんとのFSでもエルフ語しかしゃべらないとかw
私はそこまでエルフ語に堪能じゃないけど、ちょっとした挨拶ぐらいはエルフ語でしゃべってみたいな、と調べました。エルフだしw

エルフ語にはご存知のとおり、クウェンヤ語とシンダール語があります。中つ国においては、第1紀の昔にシンゴル王の勅命により、ノルドールの言葉であるクウェンヤ語の使用を禁じられたために、ほとんどのエルフはシンダール語をエルフの共通語として使用してきました。
クウェンヤは古い言葉で、アマンのエルダマール(エルフ本国の意味)での言葉で、中つ国では使うエルフもほとんどなく、儀式のときとか歌などに使われるぐらいです。「エルフのラテン語」といわれるゆえんですね。
ただ、ゴンドールやドゥネダインの間では、名前にクウェンヤの名をつける習慣は残っています。アラゴルンの幼名の「エステル」は「希望」という意味のシンダール語ですが、王としての名前の「エレスサール」(エルフの石)はクウェンヤ語、家名の「テレコンタール」(馳夫)もクウェンヤ語ですね。

なお以下の文中、(S)はシンダール語、(Q)はクウェンヤ語です。また直訳するとこうなりますという訳を( )の中に入れました。
エルフ語の挨拶はこちら
posted by ラリエン at 09:43| Comment(0) | 指輪物語豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月02日

【指輪物語豆知識(210)】「LotRO小事典」エレンディルミア

ついに日本サーバーの運営は終わりを告げ、ラリエンは海を渡り、中つ国からMiddle-Earthにたどりつきました。
数あるNAサーバーのうち、「Elandilmir」サーバーを選びましたが、ほかにも大勢の方がここに移住しました。さっそく入れていただいたKSは「decoboco」。その昔、中つ国に栄えた「劇団・凸凹」の末裔が海を渡って作り上げた国で、その王はMiddle-Earthにたどりついたとき、

エト エアルロ エレンディルミアンナ ウトゥリアン。
シノメ マルヴァン アル ヒルディニアル 
テン アンバル=メトタ!

(大海よりエレンディルミアにわれは来たれり。この地にわれとわが世継ぎたち、この世の終わるまで住まいせん!)

と言ったとか言わなかったとかw


エレンディルミア(Elendilmir)
そうこの読みはエレンディルミア。エレンディルミルではありません。これはある宝石の名前なんですね。
その意味は「エレンディルの星」。

もともとは、古代ヌメノール王家の、タル=エレンディル王の長女のシルマリエン姫の持ち物でした。シルマリエン姫はアンドゥーニエのエラタンと結婚し、エラタンとシルマリエンの間にできた息子ヴァランディルが、アンドゥーニエ公国の初代領主となりました。
宝石「エレンディルの星」(当時はこうはよばれていませんが)はこうしてアンドゥーニエ家に代々伝えられます。
そしてアンドゥーニエ公国の最後の領主アマンディルが、ヌメノールの最後のおりの節士派とよばれる、ヴァラールの教えを守りぬいた人々のリーダーとなります。
このアマンディルの息子がエレンディル。エレンディルの息子がイシルドゥアアナーリオン。エレンディルとその息子たちはアマンディルの指示により、9隻の船に節士派の人々と、家宝を積み込み海上に避難していたために、ヌメノールの水没に巻き込まれずに中つ国に渡ったのはご存知のとおり。

こうして宝石「Elendilmir」はエレンディルの手により、中つ国に伝えられました。
その後この石は、ミスリルのバンドにとめられ、エレンディル王は、この石を王冠のかわりに、額に巻き、アルノール王家の家宝となしました。
その後この石は、エレンディル戦死ののちにイシルドゥアに継がれましたが、イシルドゥアはあやめ野でオークの襲撃を受けて、矢を受けて、アンドゥインの大河に落ちて落命してしまいます。このおりに、かの「一つの指輪」が行方不明になったのは有名ですが、「Elendilmir」もまた、行方不明になってしまいます。
そのために、裂け谷のエルフの鍛冶たちが、イシルドゥアの後を継いでアルノールの王となったヴァランディルのためにレプリカを作り、以降代々のアルノール王は、このレプリカを額に巻きました。

その後指輪戦争が終わったあとに、かのサルマンが占拠していたオルサンクの塔を整理していたおりに、なんとここでオリジナルの「Elendilmir」が発見されるのです。
おそらく「一つの指輪」を自分のために捜索していたサルマンが、アンドゥインの大河で発見したものなのでしょう。
こうして長い間行方不明だった「Elendilmir」は再び、南北統一王エレスサール(アラゴルン)の額に輝くことになるのです。

指輪戦争が進行中のゲーム内時間においては、まだこの本物の「Elendilmir」は行方不明のままですけどねw
なおアルノールの王笏などをはじめとする家宝は指輪戦争が終わるまで、裂け谷のエルロンドのもとに保管されていましたが、「Elendilmir」のレプリカはアラゴルンが20歳になったおりに、その出自を明かしたさいにエルロンドからアラゴルンに渡され、後のペレンノール野の戦いのおりには、アラゴルンはこのレプリカを額に巻いて、颯爽と登場します^^
posted by ラリエン at 10:59| Comment(2) | 指輪物語豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月04日

【指輪物語豆知識(209)】白い姫君

さて思い出していただきたいのですが、フィンゴルフィンには長男フィンゴン、次男トゥアゴンの下に末っ子の、白い姫君といわれたアレゼル・アル=フェイニエルがいました。そしてアレゼルはトゥアゴンの統治するゴンドリンに住んでいました。この姫君は大変に活発なひとで、狩りを好み、アマンではいつも野原を駆け回っていました。それがゴンドリンの隠れ王国にいわば幽閉状態になってしまい、200年の間は辛抱したのですが、やがてかつてのように広大な大地に馬を走らせ、森の中を歩きたいという思いがつのってきました。
そこで彼女は兄トゥアゴンにゴンドリンを去る許しを願ったのです。トゥアゴンはそれを好まず、長いこと渋っていました。それはゴンドリンへ入る道を知る者をひとりでも外に出したくなかったからです。しかしやがて根負けして、妹に言いました。
「お前がそうしたいというのなら。行くがよい。とはいえ、わたしの智慧にはそわぬことである。ここから、わたしにとっても、お前にとってもよくないことが起きるような予感がするのだ。だが、お前を行かせるとはいっても、われらの兄フィンゴンの許だけだ。よそへ行ってはならぬ。そして、そなたにつけてやる者たちは、できるだけ早くゴンドリンに戻らせるのだぞ」
「わたくしは、兄上の妹であって召使いではありませぬ。自分でよいと思えば、兄上の許されるところ以外でもわたくしは行きます」

こうしてアレゼルは兄のつけてくれた3人の護衛と共にゴンドリンをあとにしました。しかしアレゼルはフィンゴンの許に行くつもりはなく、かつてアマンで仲のよかったフェアノールの息子たちを訪ねようと心に決めていたのです。護衛たちも姫の考えをかえることはできず、姫とともに南に向かいました。
そしてメリアンの魔法帯にまでさしかかりますと、シンゴル王の配下の見張りたちが一行をとどめました。ドリアスの中を通過することは許されないというのです。しかたなく姫の一行は魔法帯を迂回するように東に向かうことにしましたが、それは大変に危険な道だったのです。続きを読む
posted by ラリエン at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 指輪物語豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月27日

【指輪物語豆知識(208)】クェンヤ語の使用禁止

メリアンシンゴルが話し合ったその後しばらくしたころ、シンダール族の間にノルドール族の来訪についての真相についての噂が広がりはじめました。しかしその噂はフェアノールとその一族による非難されるべき行動に尾ひれがつき、フェアノールの暴走行為があたかもノルドール全体の総意で行われたかのように語られるものでした。さらにはやってもいないことまでも付け加えられ、純真なシンダールたちはその噂を信じ始めたのです。
キアダンはこの噂が真実そのものではないと看破しましたが、キアダンでさえ、この噂の出所はノルドールであり、ノルドール三王家の確執から生まれたものではないかと考えました。しかしこの噂の出所はモルゴスの密偵たちだったのです。
キアダンはこの噂のもたらす結果を心配し、シンゴル王に使者を送り、その噂のことを伝えることにしました。

キアダンからの使いがメネグロスに届いたとき、たまたまフィナルフィンの長男のフィンロドと三男のアングロドが妹のガラドリエルに会うためにメネグロスを訪れていました。
シンゴル王はキアダンの使いの話を聞くと激昂してフィンロドをなじりました。
「かかる重大事を予に隠しておくとは、そなたもけしからぬではないか。今こそ予はノルドールの悪行をすべて知っておるのだからな」
フィンロドは自分たちはいかなる悪事もなしてはいないと弁解しましたが、真相を語るにはフェアノールとその一族を非難せざるをえず、それはまことの君子であるフィンロドとしてはしたくなかったので、それ以上の言い訳をしませんでした。シンゴルはフィンロドたちもまた同族殺しに加わったと思い込んでいますので、はっきり答えぬフィンロドに向かい言いました。
「母方の一族を殺した血塗れた手のまま、親戚の食卓に連なり、しかも一言も弁解もしなければ、許しを乞おうともしない!」続きを読む
posted by ラリエン at 07:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 指輪物語豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月20日

【指輪物語豆知識(207)】ノルドールの目的

ゴンドリンの都が密かに建設されていたころ、フィナルフィンの長男・フィンロド=フェアグンドもナルゴスロンドの地中深く都を広げていました。しかしかれの妹ガラドリエルは依然としてドリアスのメネグロスの都にとどまっていました。
メリアンとガラドリエルはときおりヴァリノールのことを懐かしく話しましたが。ガラドリエルは闇がヴァリノールを覆ってから以降のことは一切口にしませんでした。

そこであるときメリアンはそんなガラドリエルに言いました。
「そなたとそなたの一族には、何か悩みが負わされておいでですね。そこまではそなたを見ていてわかりますが、それ以上のことはわたくしの目には見えませぬ。そなたはどうしてこれ以上わたくしに話してはくれないのですか」
「悩みは過ぎさりました」と、ガラドリエルは言いました。「わたくしは。追憶に妨げられることなく、この地に残されている喜びをすべて受け取りたいと思うのでございます。苦しみはあくまで尽きることはございますまい。とはいえ。まだ望みも明るく輝いているように思われるのでございます」
そこでメリアンはガラドリエルの目を覗きこんで言いました。
「わたくしは、最初言われていたように、ノルドール族がヴァラールの使者としてこの地に来たのだとは思っておりませぬ。ノルドール族が来たのは、確かにわれらが難渋している時ではありましたけれど。そのようにわたくしが考えるのは、かれらがヴァラールのことを決して口にせず、また、ノルドールの公子方がシンゴルに何ひとつ伝言を、たとえばマンウェから、あるいはウルモから、あるいはシンゴル王の弟たるオルウェ(注1)や、海を渡っていった王の身内の者たちからさえも、もたらされなかったからです。
ガラドリエルよ、どのような理由があって、ノルドールの高貴な者たちが、追放者のようにアマンから追い出されてきたのですか。また、フェアノールの息子たちがあのように傲慢で、あのように激越なのは、どのような禍事(まがごと)を背負うているからだというのでしょうか。わたくしの言っていることは事実に近いのではないでしょうか」
「近うございます。ただ、わたくしたちは追い出されたのではなく、自らの意志で、そしてヴァラールの御意志に逆らって渡って来たのでございます。大いなる危険を冒し、ヴァラールの御心を無視してわたくしたちがこの地に参りましたのは、モルゴスに復讐し、かれが盗んだものを取り戻すためなのでございます」
そこでガラドリエルはメリアンに、シルマリルのことモルゴスのフィンウェ王殺害のことを話しましたが、それでもかの誓言のことや同族殺害のこと、フェアノールが船を燃やしたことなどは話しませんでした。そんなガラドリエルにメリアンは言いました。
「そなたは多くを語ってくれましたが、わたくしはさらに多くを読み取りました。ティリオンからの長い道程についてはそなたは口を濁しておいでだが、わたくしには悪しきことが見えます。このことをシンゴル王は指針のために当然お知りになるべきでしょう」
「そうかもしれませぬ。しかし、わたくしの口からは申し上げられませぬ」続きを読む
posted by ラリエン at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 指輪物語豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月13日

【指輪物語豆知識(206)】隠された都

話は前後しますが(注1)、フィンゴルフィンの次男のトゥアゴンは、アマンのノルドールの都ティリオンを忘れることができず、同じように美しい都を丘の上に造りたいと思っていました。しかし歩き回ったすえに望むような場所が見つからず、居を定めていたネヴァラストに戻って海辺のヴィンヤマールの地で穏やかに暮らしていました。

かれが戻った次の年のことです。水の王ウルモが直接トゥアゴンの許を訪れ、再びシリオンの谷にひとりで行くように命じました。トゥアゴンがシリオンの谷間に戻るとウルモが現れ、かれを案内して環状山脈の中にあるトゥムラデンの隠れた谷間に連れていきました。その美しい谷間の真ん中には小高い石の丘がありました。トゥアゴンは望んでいた地を見つけたのです。
トゥアゴンはネヴァラストに戻ると密かに案を練って、なつかしのトゥーナ山頂にあるティリオンの都に倣って、都市の設計にとりかかりました。かれは何度もこの隠れた谷間に通い、構想を練りました。

やがて「ダゴール・アグラレブ」(赫々たる勝利の合戦)が起こり、エルフ軍は大勝利をおさめたとはいえ、トゥアゴンは不安にかりたてられるようになりました。そこで民の中からもっとも艱難に耐え、もっともよく技に秀でた者たちを多数召しだして。密かに隠された谷間に伴って、トゥアゴンの頭の中に描いた設計に基づいて都の建設にとりかかりました。そして工事現場に外から近づく者がないように厳重な見張りをおきました。シリオンを流れるウルモの力もかれらを守護したのです。

こうして52年の歳月をかけて第1紀の108年にこの隠れた努力は実って、その壮大かつ美しい都が完成したのです。
トゥアゴンはこの都をクェンヤ語で「水の音鳴る岩山」を意味する「オンドリンデ」と名づけましたが、シンダール語では「ゴンドリン」(Gondolin)(注2)すなわち「隠れ岩山」と呼ばれました。続きを読む
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2009年04月09日

【指輪物語豆知識(205)】モルゴスの蠢動

さていっぽうモルゴスは、ノルドールの公子たちが戦争のことなどほとんど念頭になく、遠くまで逍遥して歩いているという間者の報告を信じて、敵の軍事力と警戒ぶりを試そうとしました。
こうして第1紀の56年、モルゴスの力は再び蠢動を始め、アルド=ガレンの平原をオークたちが怒濤のように渡ってきました。
しかしフィンゴルフィンマイズロスは眠っていませんでした。かれらはドルソニオンを襲おうとしているオーク本隊を両側から挟撃し、もろくも敗退したオーク軍を追撃してアングバンドの門の見えるところでオークたちを一兵もあまさず殲滅したのです。
このベレリアンドにおける三度目の合戦のことを、「ダゴール・アグラレブ」すなわち「赫々たる勝利の合戦」と呼びます。

この合戦でいわば警告を受けたノルドールは、アングバンドに対する包囲をさらに縮めて、見張りを強化して整備しました。こうしてアングバンドの包囲とよばれるものが始まったのです。
モルゴスはこの戦さの結果を見てエルフたちを恐れ、それから長い間モルゴスの召使いたちはアングバンドの城門の外に出ようとしませんでした。

しかし包囲はしたものの、ノルドール族はアングバンドを攻略することも、シルマリルを奪い返すこともできませんでした。それにサンゴロドリムの城砦は湾曲する長城の如く鉄山脈から突き出ていたので、両側をこの山脈の壁で守られており、アングバンドを完全に包囲することもできなかったのです。そのためにモルゴスは後背部と北には敵の憂いがなく、かれはこの方面から大きく迂回するかたちで間者をベレリアンドに送り込むことができました。
こうしてモルゴスはベレリアンドを単独で行動しているエルフを捕らえ、アングバンドに連行して拷問を加え、エルフたちのいままでの行動をすべて把握したのです。続きを読む
posted by ラリエン at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 指輪物語豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月06日

【指輪物語豆知識(204)】ナルゴスロンド

しばらくの間はモルゴスとその一党はアングバンドに逼塞し、ベレリアンドにつかのまの平和が訪れました。
太陽が昇ってから20年ほどたったころに、ノルドールの王フィンゴルフィンの催した盛大な宴は、その平和の時代を象徴するものとして、後々まで語り伝えられました。この宴にはフィンゴルフィン、フィナルフィンの一族だけでなく、フェアノーール一族からも長男のマイズロスと次男のマグロールが参加しました。ドリアスからは2人の使いがシンゴル王の挨拶をもってきただけでした。しかし王家の者以外のノルドールもシンダールも共に大勢集い、善意のうちに話し合いがもたれ、同盟と友情を誓いあいました。この宴は「メレス・アデアサド」すなわち「再会の宴」と呼ばれました。

この宴からさらに30年ほど後のことです。フィンゴルフインの次男のトゥアゴンは、フィナルフィンの長男で友人のフィンロドを訪ね、ふたりしてシリオンの川に沿って南に旅をしました。そして川辺に野営をして眠ったおりに、水の王であるウルモが水伝いに訪れて、ふたりをさらに深い眠りに落としました。そうして夢の中に現れ、ふたりの公子に警告をしたのです。
2人は目覚めたあと寡黙になり、友人にはその夢のことは話しませんでした。それは警告を受けたのが自分だけだと思ったからでした。その警告は、モルゴスが蠢動を開始するであろうことを告げ、硬く守られたしかも隠された潜伏場所を禍の日に備えて作っておくべきであると告げるものでした。続きを読む
posted by ラリエン at 07:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 指輪物語豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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